健康増進法改正にたばこ税増税 喫煙者にはますます厳しい世の中


リモートワークでタバコの本数が増えた人も

新型コロナウイルス感染拡大予防でマスクをするようになると、タバコも吸いにくくなりますよね。しかし、
普段、会社のオフィスではタバコは吸えなかったのに、リモートワークになったら自宅でタバコが吸えるので、タバコの本数がずっと増えてしまった・・・
と言う人も多いそうです。

たばこ税が増税 タバコ1箱500円越え時代に突入

そんな愛煙家のあなたに、さらにショッキングなニュースです。

今年前半の健康増進法改正による公の場での喫煙の禁止に続き、令和2年10月1日からはたばこ税が大幅に増税となり、タバコも値上がりします。多くのブランドでタバコは一箱20本500円を超えるようになる見込みです。

一箱1000円になるまでは吸い続ける!
という人もいれば、
さすがに本数を減らすか、禁煙して電子タバコに乗り換えようかな・・・
という人もいます。

500円の壁を超える裏技も

タバコブランドの方も「販売価格500円の壁」を乗り切るために、一部で一箱の本数を減らして400円で販売するということも予定されているそうです。


やっぱり、どう考えても「ワンコイン越え」はキツイですよね?
だって、タバコ1箱がランチより高いっていうことですからね。


iQOS などの加熱タバコは路上やレストランで吸っても OK?

健康増進法よりも先に、各地でタバコ、特に歩きタバコ・路上喫煙などが禁止されてきたのが、各都道府県や市町村の条例です。
最近はアイコスなどの加熱タバコや電子タバコなどタバコに似た商品も増えて、「どこまでをタバコと扱うか」という判断が、都道府県や市町村によって異なるようです。そもそも、喫煙者自体が肺がん(日本では死亡原因単独首位)や動脈硬化、成人病にかかりやすくなる、という以外に
  • タバコの副流煙による周囲の受動喫煙・健康被害
  • 高温の火がついているタバコを持ち歩く危険性
  • タバコのポイ捨てなどマナーの問題や火事の危険性
で「スモーカーのが自分たちで首を絞めてきた」という感じもあるタバコ問題。やっぱりスモーカー自身にも見直すところはありそうです。せめて携帯灰皿くらいはタバコをカートンで購入すれば無料でついてくることも多いわけですから、それぐらいはしっかりやりましょう。

iQOSアイコスなど加熱タバコと紙巻タバコの違い

iQOSなどの加熱タバコでは、火を使わずに電気で加熱することで、タバコの成分を水蒸気にいぶし出して吸うようにしています。こうすることで原理的に紙巻タバコが燃えている先端からの副流煙の問題はなくなりました。

伏流煙は少ないけど

もちろんいったん肺に吸い込んだあと、吐く息はヤニ臭いですが、その成分のほとんどは水蒸気(エアロゾル)であることが分かっています。タバコに火をつけて燃えている間の煙(副流煙)が特に周囲への健康被害が大きいということが分かっていますから、これは大きな進歩です。

ニコチンなどの発がん物質はある

それでも、結局のところ葉タバコです。300度の高温で熱するため、従来のように紙巻タバコに火をつけて直接吸うよりは1桁程度、グっと少ないものの、アイコスでタバコを吸う場合にも、ニコチンやタール以外に様々な発がん物質が、その他の日常生活ではありえないくらい含まれることが分かっています。ちなみに、日本では知名度の高いアイコスなどの加熱式タバコですが、日本以外ではほとんど利用されていません。値段の割りに効果が少ないからではないかと考えられます。

日本で加熱式たばこは4種類

  • アイコス(フィリップモリス)
  • プルーム・テック(日本たばこ産業 JT)
  • プルーム・エス(日本たばこ産業 JT)
  • グロー(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)

海外ではもっと厳しいタバコ規制

新聞やテレビなどの報道でも言われている通り、海外、特にではタバコに関する規制はもっと厳しくなっています。

「他の人に迷惑を書けなければ、自分の敷地内では何をやっても良い」と考える傾向が強い個人主義の発達した欧米でも、葉タバコ・紙巻タバコは、喫煙者本人だけをとっても肺がんなどのリスクが大幅に上がり、医療費が増大するため、かなり厳しい規制の対象になっています。

タバコ1本100円のイギリス
ロンドンなどではタバコは一箱2000円を超えます。1本100円ですよ。
タバコメーカーにはパッケージにも大きく(半分以上)病気のリスクなどを説明するように記載しなければならない、など義務づけられています。

州によって異なるアメリカのタバコ規制
タバコ規制、アメリカでは州にもよります。公の場(自宅や自分の車以外)でのタバコ喫煙は完全禁止されているという州もあれば、路上でのタバコは禁止だけどアルコールを出すお店などを中心に喫煙が可能な州、逆にお店やレストランでのタバコは禁止だけど路上では大丈夫という州もあります。
しかし、屋外での喫煙が可能な州でも、「公共の建物や学校病院など(の壁や敷地)からは何 M 以上離れていないと吸ってはいけない」という規制がかかっている州や市も少なくありません。

興味深い世界で共通のタバコ文化

逆に言えば、喫煙という習慣はアルコールやお酒と同様、世界的にかなり広いエリアで共通した習慣であり文化だったわけです。日本でも喫煙率はまだ20%程度ありますので、2000万人がタバコを吸っているという計算になります。世界的に考えれば数億人がタバコを吸って楽しんでいます。
煙草の効果やメリット
  • リラックスのためや、
  • 逆に「頭をスッキリさせるために吸う」という人も多いですよね。
  • 食後に一服したり、
  • お酒を飲みながら吸う

ということもあります。
緊張をほぐして、上下関係も軽くなる喫煙スペース文化
特に日本では、今でも多くの会社で、「重要なことは会議室ではなく喫煙所でダベっている間に決まる」という現実もありますよね。緊張をほぐして、上下関係も軽くなる喫煙スペース文化は、まだまだ日本では大きな役割を持っているのも事実です。

葉タバコ規制は世界的潮流

でも、ニコチンやタールを含む葉タバコが規制されていくのは時代の流れで逆らいようもありません。葉タバコ農家の数は減少していくと思いますが、品質を保つ栽培ノウハウや品種は残していきながら、数十年から100年かけてフェードアウトしていくしかありません。CBDのように、葉タバコからも健康に有用な成分が見つかって、抽出できるようになれば、またニーズが戻ってくるかもしれません。

電子タバコが海外ではかなり人気で既に一般的になっている

葉タバコや加熱式タバコの代わりに、いま世界的に利用者が急増しているのが電子タバコです。アメリカやヨーロッパでは特に多くの人が吸うようになってきていて、一部の国では
電子タバコによって、葉タバコの本数を減らしたり、禁煙をすることができる
といった論文も発表されていて、政府が禁煙のために電子タバコの活用を推奨している国まであります。

電子タバコとは?香りつき水蒸気を吸うだけ?

電子タバコ(e-cigarette)は、フレーバーを水に溶かして小、さい「ポッド」や「カートリッジ」と呼ばれる容器に入れたものを、ほとんど iQOS と同じような形の「本体」に差し込んで、加熱・蒸発させて吸い込みます。

ベイプ・VAPE・ヴェイパー

「蒸発する」ことを英語ではベイパライズ(vaporize)と言いますので、この電子タバコをベイプ(VAPE)とかヴェイパー(VAPERと呼んでいる人も多いです。ベイプ(電子タバコ)にはニコチンが入っているものと、ニコチンが入っていないものがあり、確かにニコチンが入っていないものを「タバコ」と呼ぶのは奇妙な感じもします。

ニコチンが入っていないカートリッジには、フルーツ味なども多く、
ソーダなどの清涼飲料水の代わりにスッキリするために吸う
という若年層が多くなっています。

ニコチンが入っていないものについては、未成年でも吸うことができるという国や地域もありますが、元々呼吸器疾患がある人を中心に、若い人が吸うことで死亡に至る例も出てきて問題になっており、この電子タバコについても世界各国で徐々に販売などの規制が厳しくなりつつあります。日本でもニコチンの入っていない電子タバコは未成年への販売も可能(今のところ規制されていない)になっています。

日本では電子タバコ=ニコチン無し(2020年9月現在)

海外ではニコチンが入っているポットやカートリッジ・リキッドもありますので、電子タバコをEシガレットと呼ぶことがあります。
しかし2020年9月現在、日本では薬事法などの関係で、輸入品も国産メーカーのものも、ニコチンが入っていない電子タバコしか販売されていません。

ニコチンが入っていないのでタバコと呼ぶのは個人的にどうかとは思いますが、日本でもベープとかヴェイパーといった呼び方が浸透して増えてくるかもしれません。罪悪感が薄まる感じでしょうか。

原理的にはまったく無害な日本の電子タバコだけど、危険性も未確認

上記のように、日本で販売されている電子タバコにはニコチンが全く入っていません。

「フレーバー以外は水」ですので、基本的には「ただの香り付き水蒸気」を吸うことになります。(健康に害のある揮発性有機化合物が含まれているという指摘もありますが、これが特定の製品を示しているのか、この方式の限界なのかは不明です。)

そのため、原理的には肺がんなどのリスクはないはずなのですが、やかんでお湯を沸かして水蒸気を発生させるのと違い、電子タバコではピンポイントで短時間に高温で加熱しますので、それが原因でフレーバーの一部が発がん物質となったり、水蒸気の集中的な吸入自体が呼吸器に影響を与える可能性は排除できません。毎日、数年間蓄積することで、予想もしないような副作用が出るかもしれません。

しかし、現在、日本に輸入されているカートリッジや国産の電子タバコメーカーのカートリッジでは、食品衛生法に基づいてしっかりと安全性の検査などを行い、発がん性物質などに関しては問題がないと言われています。

また、ただの水蒸気とはいえ、これを集中的に擦ったり、継続的 ことによる呼吸器などへの影響というのはまだまだ研究途上です。

禁煙外来でもやっぱり難しい禁煙

とはいえ、禁煙というのは、世界中どこに行ってもやっぱり難しいもののようです。

日本にも禁煙外来が多くの病院に設置されていて、治療も保険適用となっています。

  • ニコレットのようにガムでニコチンを補給しながら口寂しさを軽減したり、
  • シールやパッチ式のニコチンを利用して減らしていく治療法も
あります(ニコチン補充療法)。しかし残念ながら、この禁煙外来によって禁煙に成功する人は1/3程度だと言われています。残りの半分以上の方はやはり途中で挫折してしまうそうです。

禁煙が難しい理由

禁煙が難しい理由はニコチンなどの依存症、中毒性、離脱症状、禁断症状以外にも、たくさんあります。

タバコとライターを取り出して火をつけて一服する。この一連の動作が習慣やクセになっているので、この習慣自体をやめられないという人も多いようです。また、くわえタバコをしながら仕事ができた昭和の時代と違って、タバコを吸う時間は基本的に休憩時間のため、「タバコ=休憩=リラックスや快楽」というふうに脳の中の仕組みが出来上がってしまっていて、 タバコを吸うことで自動的に脳からドーパミンという快楽物質が出る、という人もいます。

こういった脳の仕組み、脳の癖については急激に変えることは難しく、また禁断症状が出てくることもあるため、非常に禁煙することは厳しく感じるそうです。実際、大きな病院でも喫煙スペースがあって、お医者さんも結構吸っています。

禁煙に成功する方法

こういった脳の傾向も考えると、禁煙に成功する方法はいくつか考えられます。

体や脳みそに対して急激な変化を抑えて、上手く騙して徐々に減らして行く方法があります。

一方で、肺がんなど命に関わるような深刻な病気の宣告を受けて、1日でタバコを禁煙するのに成功してしまう人もいます。人間の意志力って凄いなあと思いますが、やはり全ての人がいつでもできるわけではありません。

当サイト管理人としては、なるべく誰でもいつでも簡単に心理的にも経済的にも負担少なく禁煙に成功できる方法に関する最新情報を調べて提供できればと考えています。

ケース別に禁煙に成功する方法はいくつかありますが、禁煙できない理由が一つという人は少ないので、 やっぱり簡単ではありません。だからこそ、禁煙を始める場合には、家族や友人などに禁煙を始める事を宣言して、助けてもらったり応援してもらうという心の支えを得ることもとても重要だと思います。

ニコチン補充療法

ニコチンが急になくなることに抵抗感が大きい人は、ニコレットのようなニコチンガムやニコチンパッチを利用して。計画的にニコチン摂取量を減らしていきます。市販品もありますが禁煙外来などで行われている方法なので、病院で医師の診察や指導を受けながら行うのがおすすめです。

ただし忙しいサラリーマンだと平日に病院に通うこと自体が難しい方も多いですよね。その場合には市販のニコチンガムなどを利用して、禁煙を始めてみましょう。 それなりのお値段はしますが、高くなったタバコ代や、将来の医療費のことを考えれば大幅に安いものです。

紙巻タバコを加熱式タバコや電子タバコに置き換える

タバコをくわえたり、吸ったりする動作そのものが止められないという方には、アイコスなどの加熱式タバコを利用してニコチンの摂取量だけでも減らしたり、電子タバコを利用して置き換えるという方法があります。

海外では「紙巻タバコを本数を減らせた」とか「最終的に禁煙につながった」という報告もあります。
一方、日本国内でタバコがやめられない原因を絞らない研究・調査では電子タバコが禁煙に逆効果、という結果が出ているものもあります。

精神的な不安

休憩時間にタバコを吸わないとどうしていいか分からず不安になっちゃう
とか、
休憩時間にタバコをすることで短時間でもよりリラックスできるというふうに脳がプログラミングされてしまっている
という方にも、普通のガムや電子タバコはお勧めです。ニコチンやタールが入っていないため、吸い心地はだいぶ軽くなり物足りないかもしれませんが、そのぶん様々なフレーバーがついていて、フルーツなど「甘み」を感じるものも多いです。

「甘み」というのは脳みそにをリラックスさせる効果がありますから、一度試してみてもいいのではないでしょうか。電子タバコでも喫煙室で談笑してて違和感はありませんから、そういう日常的な習慣の変化も抑えられます。

口さびしい

タバコを吸ってないと口寂しい
という方の場合には、普通のガムでもお着替え効果がありますし、電子タバコもかなり精神的に負担の少ないタバコの置き換え手段になります。

もらいタバコ以外は禁煙

お医者さんからは評価が低いのですが、「もらいタバコ以外は禁煙」というのも管理人周辺では現実に禁煙成功者が多い方法です。

いきなり完全にタバコを辞めてしまう、タバコを0本に減らす、というのはやはり簡単ではありません。とはいえ自分でタバコを買ってしまうと、どうしても吸ってしまいますよね。「意志力で本数を減らす」のは非常に難しいです。

そこで、「自分ではタバコは買わない」ということを唯一ですが絶対ルールにします。休憩の時にどうしても吸いたくなったら、同僚などから一本だけタバコをもらうようにします。

そうすると普通に考えて1日にタバコを吸う量は1日に一本から2本程度になります。友達に
タバコを1本ちょうだい
と毎回頼まなければいけないということが、心理的な引け目になりますから、徐々に頼む回数も減っていきます。さらに2020年10月の「タバコ代の値上がり」というのは大きいですよね。
「タバコ一本ちょうだい」と言っても、昔は一本10円だったものが、もうすぐ一本30円ぐらいになってしまうわけです。タバコ三本あったら缶コーヒーが一本買える時代になります。こうなるとさらに気軽にタバコ一本ちょうだいと頼みにくくなりますよね。そういう意味ではタバコの値上げは喫煙者を減らす効果があると言えそうです。
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